udonsukisa’s blog

好奇心を失わない子供を増やしたい

足し算は難しい!でも、しっかり理解すると中学・高校でも困らない。

こんにちは、コアラのオージーです。子供が小学校に入学すると学校の勉強が始まり、急に子供が成長したように感じたのが懐かしく感じられます。そんな中で、算数は足し算を習います。子供は初めてのことで戸惑う事があるかもしれません。そんな時、親が子供の助けをしてあげれば子供は安心しますよね。

1.1+1=2の証明はできますか?

「1+1」はリンゴ1個にもう一つリンゴを加えることと同じ。そうするとリンゴは2個になるから。その説明だけで十分でしょうか?リンゴを絞ってジュースにしてしまうとどうなりますか?

エジソンは「1+1=2」を教師が粘土を例にとって教えていたら、「1個の粘土と1個の粘土を合わせても(混ざって)1個の粘土になるだけなのになぜ2個になるのか」と聞いて、教師がエジソンを「腐れ脳ミソ」と罵倒したというエピソードがあります。ここでエジソンが疑問を持つことをやめてしまったら、あの様々な発明はされなかったでしょうね。思考の幅を広げることが発明には必要ですね。

では、もう少し説明を加えてみるとどうでしょう。リンゴは一つの単位(塊)としてのみ存在する(絞ってジュースにすることはない)。リンゴがたくさんある袋(集合)があり、そこから1つ取り出して加えるとリンゴが2個の状態にしかならない(単射)2個の状態に1個加えると3個の状態になる。以下、これを繰り返していくと足し算ができる。🍎がある状態に「1」を、次に続く🍎🍎の状態に「2」・・・・と数字を当てはめていくと、足し算になります。リンゴ1個から始めましたが、袋から取り出していない状態「0」が一番最初になる。こうゆう決まりを作ればできそうですね。これを「定義」といいます。算数(数学)は定義から始まります。実際の詳しい証明が知りたい方は「ペアノの公理」で検索してみてください。

ペアノの公理」ざっくりまとめ

・テーブルに何もない・・・この状態を「0」とする。ここが始まり。

・袋にリンゴ🍎がいっぱいある(集合)

・袋(集合)から1個のリンゴを取り出してテーブルに置く・・

 🍎 この状態を「1」とする。

・もう1個リンゴを取り出してテーブルに置く

 🍎🍎 この状態を「2」とする。 ⇒ これを「1+1=2」で表す。

この「1」・「2」、「+」「=」を使うのは「小学生の素朴な疑問? 数字は何で「1」とか「2」なの?」の記事をご覧いただくと、わかりやすくなります。

算数(数学)は自然界の疑問を解き明かすために人間が取り決めをして(定義して)解明をしていったんですね。

今年(2021年)のノーベル物理学賞を受賞した「真鍋淑郎さん」が気候のシミュレーションをしたのは数値モデルを作って、そこに数値を当てはめてコンピュータで計算したのですが、ここでも算数(数学)が使われています。

ちなみに、日本人のノーベル賞受賞者は、ほぼ地方の公立高校出身者です。これは幼少期を自然の中で過ごすと、自然への興味が湧き、それを解明しようとするからだとか。自然は未解明の事がたくさんありますからね。私は出身大学に注目していて、東大や京大が多いのです。地方から東大・京大をめざす人は目立った存在であることが多く、周りに流されず、人一倍探求心が強い人が多いからではないかと思っています。

2.指を使って数える

いよいよ足し算をしていきます。

最初に子供は数字を覚え、指を使って数えることから始める事が多いですね。数字が小さいときはそれでもできますが、数字が大きくなるとできなくなるので、数字が大きくなっても足し算ができれば計算できますね。

 

コラム~~~~~

日本では指折り数えると言って、1・2・3・・・と親指から折って数えますよね。1の前は数字は「0」ですが、「5」と同じ状態で始めるのはなぜでしょう?ちなみに、世界では違った数え方をします。ヨーロッパではグーの状態から親指を出して「1」、人差し指をだして「2」と数えます。グーを「0」とすれば、先ほどの疑問は解決しそうですね。でもちょっと指の使い方が難しいです。中国では5までは日本で数字を表現する時と同じ形にします。6から指の使い方が難しくなります。ちなみに、片手で31まで数える方法を知っていますか?指は5本だけどどうやって?これは追々触れていきます。ヒントは「コンピュータ」です。

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ヨーロッパと日本の違い

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中国の数え方


3.さくらんぼ計算は必要か?

今は学校では繰り上がりのある計算を「さくらんぼ計算」という方法を使って教えているようです。私は知りませんでした。「さくらんぼ計算」という方法を知らない親にとってはかえって足し算がわかりにくくなるかもしれません。でも、算数は1つの問題をいろいろ工夫して考えるからおもしろいと私は思っています。そして、「さくらんぼ計算」は生活の中で使う数字を「10の塊で考える(10進法、位取り)」ということを理解するにはいい方法だと私は思います。中学になると23を2×10+3(10の位をa、1の位をbとして2桁の数を10a+bと表して計算したことがあると思います。例えば「2桁の自然数と,その数の十の位の数と一の位の数を入れ替えた数との和は11の倍数になります。そのわけを説明しなさい。」という問題はこの表記法を使うと説明できます。10a+b+10b+a=11a+11b=11(a+b))話がそれましたが、さっそく「さくらんぼ計算」をしていきましょう。

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さくらんぼ計算の方法

この例だと7+▢=10になる▢=3と残り 3+△=5になる△=2に分けます。この3と2に分けた形がさくらんぼ🍒のようですね。10になると繰り上がる(10の位が1増える)ということになります。

さくらんぼ計算ができたら暗算の練習をしてみましょう。繰り上がりを頭の中でイメージできれば、暗算もできると思います。暗算ができるようになると、計算問題を解く時間を計ってみてください。何回か繰り返して時間が短くなるのを実感すると、子供も繰り返し練習の楽しさを覚えますね。算数に限ったことではないですが、一つの問題集(ドリル)を繰り返しやることで理解が深まり、スピードも速くなりますので、いろいろな問題集に手を出すよりは効果が高くなります。

暗算が既にできるお子様は「さくらんぼ計算」なんてなんでやるの?と思うかもしれません。「さくらんぼ計算」の面白さを感じてもらえるといいのですが。暗算した結果を検算してみるといいかもしれません。検算する時は計算した時と別のやり方でやると精度が上がります。この検算をする癖をつけると後々役立ちますね。

 

コラム~~~~~

足し算の問題は日本では 2+3=▢ といった出題ですが、

海外では2+▢=5または▢+△=5(▢・△は1以上の整数(自然数)) や文章で「答えが10になる問題をできるだけ書きなさい」というような問題になります。

答えが決まっている問題を解くか、いくつか答えがある問題を解くか?の違いですが、「現代は答えのない問題に適していると考えられる答えを見つけなければいけない」ことを考えると、海外の問題の方が現実につかえる可能性が高いように感じます。昔から言われていることですが、いまだに日本では変わっていないようです。

4.筆算をする

数字が大きくなって(桁数が増えて)くると筆算が便利ですね。

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筆算

5.図を描いて考える

最初にリンゴを使って考えましたが、具体的な物を使って考えるのは一つの方法ですね。でも、リンゴを持ち歩くこともできないし、テストでは使えないし、でも紙と鉛筆を使えば、図を描くことはできますよね。図を描くと分かりやすくなります。

 

書きやすい〇を使います。

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〇を使った計算

図を使っての計算は足し算・引き算や割合では線分図(テープ図)を使ったり、掛け算・割り算では面積図使うと分かりやすくなりますね。

 

【我が家の会話から】

先日、私は妻から1997年は何年前(今年は2021年)と聞かれました。私は暗算が苦手ですが、24年前と即答しました。妻は数字が大きいから計算が大変だと思い込んでい聞いたようですが、「2021ー2000=21 2000ー1997=3 21+3=24

(2021-2000+2000-1997=21+3=24)と計算すれば簡単だよ」と言いました。切りのいい数字を基準にして計算すると計算しやすくなりますね。暗算が苦手でも工夫すれば簡単にして、早く・正確に計算できますね。どんな問題も工夫してみると1つの問題からどんどん解答の幅を広げていけます。

 

コラム~~~~~

そろばんは凄い!

そろばんは、2進法と5進法を合わせて10進数の計算をします。位取りの目印もあるので、大きい数や少数にも対応します。これはすごい発明だと私は思います。

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そろばん(算盤)

フラッシュ暗算」って聞いたことがあると思いますが、「そろばん」をやっていると頭の中で「そろばん」の玉をはじいて答えの絵が頭に浮かんで瞬時にできるそうです。私は「そろばん」をやっておらず、暗算は苦手でした(笑)

ちなみに「そろばん」の産地をご存じでしょうか?兵庫県の小野市が生産量日本一だそうです。小野市には高さ約4メートル、幅約9メートル、一つの玉は高さ50センチ、幅85センチ、重さ約1・8トンの鋼鉄製のそろばんがあるそうです。播州算盤(そろばん)工芸品協同組合が1974年に設置し、2001年からは、玉で西暦を表示するようになったとのこと。毎年末に玉を動かして西暦を変更する作業は、歳末の風物詩として定着しているそうです。

6.まとめ

いかがだってしょうか?足し算も奥が深く、これをきっちり理解していると中学・高校の数学にも役立つことがいっぱいあります。ただ単に計算プリントをするだけでは興味もなくなり、後々困ることになっていきかねないので、本質を見失わないで、楽しみながら勉強できたらいいなと思います。